閉経後の女性にもソイプロテインがおすすめ!更年期症状への効果や改善するためのポイントを解説
ここ数年、さまざまな用途でプロテイン商品を取り入れる人が増えています。
市場の拡大に伴い、さまざまな種類の商品が販売されるようになりました。
そのなかでも人気が上昇しているのがソイプロテインです。
実は、ソイプロテインが更年期の女性の健康をサポートしてくれる可能性がある
といわれているのをご存知でしょうか?
今回は、女性なら知っておきたい更年期障害とソイプロテインのこと、そして辛い症状を少しでも緩和するために日常の中で取り組みたいことについてお伝えします。
そもそも更年期障害ってなに?
男女ともに40歳を過ぎた頃から見られる、性ホルモン分泌量の低下が原因で起こるさまざまな体調の不良や情緒不安定などの症状をまとめて更年期障害といいます。[1]
■更年期とは
女性の場合の更年期は、閉経前の5年間と閉経後の5年間の計10年間の期間のことです。
閉経は月経が永久に止まることであり、月経が来ない状態が12ヶ月以上続いた際に1年前を振り返った時期を閉経としています。閉経が来る時期は個人差が大きいとされ、早い人は40歳前半、遅い人は50歳後半といわれています。[2]
■更年期障害の症状
女性の場合、更年期に女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急に減少することで症状が現れます。
更年期障害の症状として、身体的症状では、のぼせ、顔の火照り、動悸、息切れ、頭痛、目ないなど、精神的症状では、イライラや不安感、うつ、不眠などが挙げられます。
初期症状ではだるさや寝付けないなどといった症状が現れるため、更年期障害だと分からない場合が多いです。そのまま気づかずに放置していると、精神的症状を悪化させる恐れがあります。
そのため、更年期になる前に正しい知識と改善策を知っておくことが重要です。[1]
ソイプロテインの特徴とは?他のプロテインとの違いについて
ソイプロテインは大豆を原料とした植物性のプロテインのことで、大豆から油を絞った後にたんぱく質を取り出して粉末状に加工したものです。他のプロテインとは異なり、たんぱく質だけではなく“大豆イソフラボン”や“食物繊維”という成分も含まれています。大豆イソフラボンは大豆、特に大豆の胚芽に多く含まれる成分のことです。構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ていることから、エストロゲンと同じようなはたらきをするといわれています。エストロゲンは女性らしさつくるためホルモンといわれており、妊娠を準備したり肌のツヤやハリを保ったりする作用があります。
このように他のプロテインとは異なる特徴を持つソイプロテインですが、実際に更年期障害の改善に役立つのでしょうか。[3,4]
ソイプロテインは更年期障害を緩和するって本当?
ソイプロテインを飲むことで更年期症状が緩和されるかを検証した研究は少なく、
現時点では実際に効果があるかどうかははっきりしていません。
一方で、大豆イソフラボンをとることによる影響を検証した研究は国内外で行われています。
一部の研究によると、大豆イソフラボンは更年期障害の症状であるのぼせが改善する可能性があると報告されています。しかし研究によって結果が異なるため、どのぐらいの量をどのぐらいの期間でとると効果があるのかは、はっきりしていません。[5]
このようにソイプロテインは大豆イソフラボンが含まれるため、更年期障害に良いとされているようです。
なぜ大豆イソフラボンが役立つ可能性があるのか気になりますよね。
次に大豆イソフラボンと更年期障害にどのような関係があるのかみていきましょう。
大豆イソフラボンと更年期障害との関係
先ほどご紹介したように、大豆イソフラボンはエストロゲンと同じようなはたらきをすることが分かっています。更年期障害はエストロゲンの減少により引き起こされるため、大豆イソフラボンをとることで、エストロゲンの減少を補い症状の緩和に役立つのではないかと考えられています。
ただし大豆イソフラボンはエストロゲンと同じように作用するためには、大豆イソフラボンのままでは発揮されるわけではないようです。近年の研究によると、人の体内で“エクオール”に変換されることが必要となるといわれています。エクオールは大豆イソフラボンのうち“タイゼイン”が腸内細菌によって代謝されることで生み出される成分です。残念ながら、このエクオールがつくられるのは一部の方に限られています。[3,6]
「自分の体はエクオールが作れるのかな?」と気になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
現在は検査キットなどで調べることができますので、気になる方は調べてみるのも良いでしょう。
また、大豆イソフラボンは更年期症状の緩和だけではなく、生理不順の緩和や骨粗鬆症の予防などのはたらきもあり、さまざまな健康メリットを秘めていると考えられています。
大豆イソフラボンの健康メリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事で解説していますので、
チェックしてみてくださいね。
・ソイプロテインは女性の月経の悩みに効果あり?改善するための生活習慣のポイントも解説
・女性に嬉しい大豆イソフラボン。誰もが効果を期待できるわけではないって知ってた!?
また、更年期症状の緩和には、大豆イソフラボンを取り入れる以外にも、生活習慣に目を向けることも大切です。次に更年期症状を緩和するための生活習慣のコツをご紹介しましょう。
更年期症状を緩和するための生活習慣のポイント
更年期障害はホルモンバランスの乱れだけではなく、
生活習慣などといったさまざまな要因が関与しているといわれています。
まずは生活習慣の見直しと改善を行っていきましょう。[2]
・ポイント1:栄養バランスの良い食事をとる
更年期の症状により、必要な栄養が取れず体調不良など健康に悪影響を与える場合があります。
そのため、栄養バランスの良い食事を心がけることが重要です。[7]
・ポイント2:運動習慣を身につける
運動習慣を身につけることは更年期症状の緩和に良いとされています。
運動のなかでも筋肉の負担が比較的軽いジョギングやサイクリングなどの有酸素運動を行うことがおすすめです。[8]
・ポイント3:睡眠をしっかりとる
更年期では眠りが浅くなりやすいため、良質な睡眠を取れるように意識すると良いでしょう。
寝る前はスマホやPCなどの光を見たりカフェインや刺激物を摂取したりすることを避けて睡眠の質を下げないようにしてくださいね。[9,10]
・ポイント4:ストレスをためない生活習慣を心がける
ストレスは女性ホルモンに影響を与え、エストロゲンの分泌が減る可能性があります。
生活リズムを整えたり十分に休養をとったりしてストレスをためないように意識しましょう。[4,11]
ソイプロテインを上手に活用して健やかな生活を
ソイプロテインには大豆イソフラボンが含まれていることから、更年期障害の悩みを緩和してくれる可能性があります。ただしソイプロテインをとると必ず効果があるという保証はないため、ソイプロテインのみに頼らず生活習慣の見直し・改善にも心がけていきたいですね。食生活だけではなく、運動や睡眠、ストレス解消に取り組み、健やかな更年期を過ごしていきましょう。
少しでも不安を感じる場合は一人で解決せず専門家などに相談してくださいね。
【参考文献】(すべて2022年12月19日閲覧)
[1]厚生労働省, e-ヘルスネット, 更年期障害[4]内田さえ, エストロゲンの機能とストレス〜生涯を通じて健康を維持するために〜, 国際抗老化再生医療学会雑誌 第 2 巻(11−18)2019
プロフィール
短大を卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。科学的根拠をもとにダイエットや生活習慣病などを中心としたヘルスケアコラムを執筆している。
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