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ソイプロテインは女性の月経の悩みに効果あり?改善するための生活習慣のポイントも解説

月経が来る前に心身ともに不調となったり、
月経が定期的に来なかったりして悩んでいる女性は少なくありません。
実は、これらの悩みに対してソイプロテインが役立つ可能性があるといわれているのをご存知でしょうか。

そこでこの記事では、月経の悩みとソイプロテインの関係や、それらの悩みの改善につながる生活習慣のポイントをお伝えします。

月経の悩みについて

女性が悩んでいるイメージ

女性の月経の悩みとして、主にPMS(月経前症候群)、月経不順などが挙げられます。
これらについて詳しくみて行きましょう。

■PMS(月経前症候群)とは?

“PMS(月経前症候群)”は、月経前の約3~10日間に精神的・身体的症状が現れ、
月経開始後に軽快もしくは消失するものをいいます。
原因ははっきりと分かっていませんが、月経前の時期に女性ホルモンが急激に低下して、
脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことで症状が現れると考えられています。
主な症状として、精神的症状ではイライラ、集中力の低下、眠気の増加、睡眠障害、食欲不振などがあり、
身体的症状として頭痛、腹痛、むくみ、お腹の張りなどがあります。[1]

■月経不順とは?

“月経不順”は、正常の月経周期(25~28日間)より短かったり長かったりすることをいいます。
月経不順の原因として急激なダイエットやストレスなどによるホルモンバランスの乱れ、不規則な生活が挙げられます。子宮や卵巣の病気が原因となることもあるため、
不安に感じた場合は一度専門病院を受診するようにしましょう。[2]

ソイプロテインは女性の悩みに効果があるの?

大豆

ソイプロテインとは大豆由来のたんぱく質で作られた栄養補助食品であり、
ダイエットや美容目的で取り入れる人が増えています。

ソイプロテインが注目されている理由の1つに、女性ホルモンの“エストロゲン”と似た構造をしており、
体内で同じような作用をするとされている”大豆イソフラボン”が含まれている点があります。
近年の研究によると、大豆イソフラボンをとることでエストロゲンの変動によって起こる体の不調を抑えられる可能性があることが分かってきています。
そのため、大豆イソフラボンをとることがPMSや月経不順の症状を緩和するのに役立つのではないかと期待されています。[3-5]

実際にソイプロテインを飲むことで月経の悩みを改善できるのか、その効果を検証した研究報告はまだ少ない現状にあります。しかし、ソイプロテインから大豆イソフラボンやその他の不足しがちな栄養素をとることが、女性の健康作りに貢献してくれる可能性は否めません。

しかし、ここで忘れてはならないことがあります。
特効薬のように「◯◯に効く食品」というものは存在しないに等しいため、ソイプロテインに限った話ではなく特定の食品に対して効果を期待しすぎないようにしましょう。

月経の悩みを改善するための生活習慣のポイント

女性がリラックスしているイメージ

月経の悩みを解消するためには、生活習慣を見直して改善することが重要です。
まずはPMSや生理不順を引き起こしやすい生活習慣をしてないかチェックしましょう。

■PMSや月経不順の原因となる生活習慣とは

PMSや月経不順につながる原因としてストレスや生活習慣の乱れなどが挙げられます。
以下に当てはまるものがあれば、改善していきましょう。[1,2,6]

☑︎ストレスをためている
(仕事で働き過ぎている・職場の部署を異動した・引越しをしたなど)
☑︎偏った食生活をしている
(朝食を食べない・決まったものしか食べない・極端に食事量を減らしているなど)
☑︎ 不規則な生活リズムで過ごしている
(決まった時間に起きない・睡眠不足・食事をする時間がバラバラなど)

■改善するための生活習慣のポイント

食事では、栄養バランスの良い食事をとることがポイントです。
ごはんやパンなどの炭水化物メインの“主食”・肉や魚などたんぱく質がメインの“主菜”・野菜やきのこ、海藻などのビタミンやミネラルをメインとした“副菜”を揃えると栄養バランスが整いやすくなります。
また、お酒やカフェインは控えるようにしましょう。[1,7,8]

普段運動をする習慣がない場合は、
軽い有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど)をして体を動かすようにしましょう。
ただし、いきなり運動すると怪我をする可能性があるため、無理がないように取り組んでみてください。[8-10]

また、睡眠をしっかりとることも重要です。
特に月経前は眠くなりやすいため、いつもより早めの時間に寝るように心がけましょう。
寝る前はカフェインやアルコールなどの刺激物の摂取を避け、スマホやPCなどの明るい光を見るのを避けるなどして睡眠の質を下げないことも必要です。[11,12]

さらにストレスも女性ホルモンに影響を与えます。
ストレスが続いてしまうと女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下し、体の不調につながる恐れがあります。
そのため、ストレスをためないこともポイントです。ストレスの原因は仕事での働き過ぎや環境の変化などが挙げられます。生活リズムを整え、趣味を持ったり睡眠を十分に取ったりすることでストレスをためない習慣を身につけると良いでしょう。[1,4,13,14]

ソイプロテインで不足しがちな栄養を補給しよう

まだ科学的には十分に証明されていませんが、ソイプロテインは女性の月経の悩みをサポートする可能性を秘めていると考えられます。それだけではなく、たんぱく質や食物繊維など不足しがちな栄養素が含まれているため、偏った食事をしていたり不規則な食生活をしていたりする方にとって、栄養バランスを整えるのに役立つと言えます。

PMSや月経不順に悩んでいる方は、まず生活習慣を見直した上で、必要に応じてソイプロテインを取り入れてみてくださいね。一人では不安という方は専門家などに相談して、悩みを放っておかずにできるだけ早く解消できるよう行動してみましょう。

【参考文献】 (すべて2022年11月26日閲覧)
[1]公益社団法人 日本産科婦人科学会, 月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)

[2]一般社団法人 日本女性心身医学会, 女性の病気について|月経不順

[3]厚生労働省, 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A

[4]内田さえ, エストロゲンの機能とストレス〜生涯を通じて健康を維持するために〜, 国際抗老化再生医療学会雑誌 第 2 巻(11−18)2019

[5]内山成人, 大豆由来の新規成分エクオールの最新知見, 日本食品科学工学会誌, 62 巻 (2015) 7 号

[6]厚生労働省, e-ヘルスネット|若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題

[7]農林水産省, 栄養素と食事バランスガイドとの関係

[8]一般社団法人 日本女性心身医学会, 女性の病気について|月経前症候群(PMS)

[9]厚生労働省, e-ヘルスネット|エアロビクス/有酸素性運動

[10]厚生労働省, 健康づくりのための身体活動基準2013

[11]厚生労働省, e-ヘルスネット|女性の睡眠障害

[12]厚生労働省, e-ヘルスネット|快眠と生活習慣

[13]厚生労働省, みんなのメンタルヘルス総合サイト|ストレスって何?

[14]厚生労働省, みんなのメンタルヘルス総合サイト|ストレスをためない暮らし方

プロフィール

ichinoki
管理栄養士 一ノ木菜摘
短大を卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。科学的根拠をもとにダイエットや生活習慣病などを中心としたヘルスケアコラムを執筆している。
公式ブログ「幸せ食ライフ|管理栄養士 一ノ木菜摘ブログ」:
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