美容におすすめのプロテインとは?効果的な飲み方や生活習慣のポイントを解説
“プロテイン”は直訳すると”たんぱく質”のことですが、
日本ではたんぱく質を補給するための栄養補助食品を意味することが多いようです。
最近ではこのプロテインが美容に良いと言われているのを見聞きする機会が増えています。
たくさんの商品がある中で、
どのようにプロテインを選んだら良いのか分からない方もいらっしゃるかもしれません。
また、美容効果を高めるためにはプロテインを飲むだけではなく、
生活習慣の改善にも併せて取り組むことが重要となります。
そこで、この記事ではおすすめのプロテインの選び方と飲み方、
美容のために知っておきたい生活習慣のポイントを解説していきます。
プロテインにはどのような種類がある?
プロテインの種類は、
原料の違いからホエイプロテイン、カゼインプロテイン、ソイプロテインの3種類に分けられます。[1]
(1)ホエイプロテイン
ホエイという牛乳のたんぱく質で作られたものです。
ホエイとは乳清のことであり、ヨーグルトの上澄みにある透明な液体を指します。
ホエイプロテインは吸収が早いことが特徴であり、トレーニング後の栄養補給におすすめです。
(2)カゼインプロテイン
カゼインという牛乳のたんぱく質で作られたものです。
カゼインプロテインは不溶性のため水に溶けにくく吸収がゆっくりであるのが特徴です。
そのため腹持ちが良くダイエットに向いているといわれています。
(3)ソイプロテイン
大豆由来のたんぱく質で作られたものです。
カゼインプロテインと同様に吸収がゆっくりであるためダイエットに適しています。
また大豆イソフラボンという成分も含まれているため、
大豆イソフラボンの持つさまざまな健康効果に期待ができるといわれています。
美容におすすめのプロテインとは?
今回ご紹介した3種類のプロテインのなかでは、ソイプロテインが美容に適しているといわれています。
その理由は、ソイプロテインに含まれる大豆イソフラボンや食物繊維などの栄養成分が美肌やボディメイクに役立つ可能性があるためです。[2,3]
■大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは大豆に多く含まれている成分で、女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ており、エストロゲンと似たようなはたらきをします。エストロゲンは女性らしさをつくるホルモンで、子宮などの生殖器官を発育、維持する作用があります。それだけではなく、女性らしい体をつくったり肌のツヤやハリを保ったりする効果が期待できます。[2,3]
ただし、この美肌作用を発揮するためには、人の体内で大豆イソフラボンが“エクオール”に変換される必要があることが分かっています。エクオールは大豆イソフラボンの“タイゼイン”が腸内細菌によって代謝されることで生み出される成分です。このエクオールがつくられるのは腸内にエクオール産生菌を持っている人に限定されるため、すべての人がこの作用を発揮するとは限らないようです。[4]
■食物繊維
ソイプロテインには日本人が不足しがちな食物繊維も含まれているのも注目すべき点です。
食物繊維は野菜類、果物類、豆類、穀類、きのこ類、海藻類といった植物性食品に多く含まれている、人の体内で消化吸収されない食品成分です。さまざまな健康効果が期待されていますが、なかでも体内の余分な脂肪や糖などを排出するはたらきがあることから、ダイエットに役立つとされています。[5-7]
次に、プロテインを取り入れる際に気をつけたいことについてお伝えしていきます。
知っておきたい!効果的なプロテインのとり方
まず、むやみに大量のプロテインを飲んでも期待している効果を高めることはないと理解しておきましょう。
プロテインにはエネルギー(カロリー)が含まれているため、とりすぎるとカロリーオーバーとなり太る原因になってしまいます。[5,8]
食事の代わりにプロテインを飲む際には1日1食までとし、
食生活全体のバランスを整えることを基本としましょう。
間食を甘いお菓子やスナック菓子、スイーツではなく、プロテインに置き換えるのがおすすめです。[5,8]
美容のために意識したい生活習慣のポイント
美容のためには、毎日の生活にプロテインを取り入れるだけでなく、
生活習慣の見直し・改善も併せて取り組むことが重要です。
そこで美容のために意識したい生活習慣のポイントをご紹介します。
栄養バランスの良い食事をする
たんぱく質を体内で効率よく利用するためには、その代謝を助けるビタミンやミネラルなどの栄養素もしっかり補給することが重要です。そのために、毎日の食事でさまざまな食材を食べるようにしましょう。ごはんやパンなどの糖質メインの“主食”、肉や魚などのたんぱく質がメインの“主菜”、野菜やきのこ、海藻などのビタミンやミネラルがメインの“副菜”を揃えることがポイントです。[9,10]
運動する習慣を作る
ダイエットをしたいなら、消費エネルギー(カロリー)を増やすために、運動習慣を作るのがおすすめです。
体脂肪を減らしたいなら、運動のなかでも有酸素運動(ジョギング、サイクリングなど)が効果的だといわれています。ただし、いきなり運動すると怪我をする場合もあるため、ストレッチを行なった上でウォーキングなど軽い運動から始めると良いでしょう。[8,11,12]
ストレスをためない
過度なストレスは肌に影響を与えます。
ストレスにより女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減り、エストロゲンによる美肌作用が減少する恐れがあります。また食生活にも影響を与え、食べ過ぎたり偏った食事をしたりすることで肥満につながる可能性もあるため注意が必要となります。ストレスの原因は仕事での働きすぎや環境の変化などが挙げられます。生活リズムを整えたり睡眠を十分に取ったりしてストレスをためない習慣を心がけましょう。また、好きな音楽を聴いたり趣味を行ったりしてストレスを解消する習慣も身につけてくださいね。[3,13,14,15]
プロテインや生活習慣の改善を一緒に取り組もう!
美容のためにプロテインを取り入れる際は、生活習慣の見直し・改善も一緒に行うことでその効果を高めることにつながるでしょう。プロテインは粉末状のものが多いイメージですが、最近ではバータイプ、ゼリータイプ、ドリンクタイプのものもあります。またチョコレート味やいちご味など商品も販売されており、さまざまな味を楽しむこともできます。ご自身のライフスタイルや好みに合わせたプロテインを選んでくださいね。
【参考文献】 (すべて2022年11月26日閲覧)
[1]一般社団法人 日本プロテイン協会, 誰でもわかるプロテインの基礎知識[3]内田さえ, エストロゲンの機能とストレス〜生涯を通じて健康を維持するために〜, 国際抗老化再生医療学会雑誌 第2巻(11−18)2019
[4]内山成人, 大豆由来の新規成分エクオールの最新知見, 日本食品科学工学会誌,62巻(2015)7号
[5]文部科学省, 日本食品標準成分表2020年版(八訂), だいず/[その他]/大豆たんぱく/分離大豆たんぱく/塩分無調整タイプ
[7]厚生労働省, e-ヘルスネット|食物繊維の必要性と健康
[11]厚生労働省, e-ヘルスネット|エアロビクス/有酸素性運動
[12]厚生労働省, 健康づくりのための身体活動基準2013
プロフィール
短大を卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。科学的根拠をもとにダイエットや生活習慣病などを中心としたヘルスケアコラムを執筆している。
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