プラントベースの食事って、たんぱく質不足にはならないの?管理栄養士が徹底解説!
近年、レストランのメニュー表などで、“プラントベース”という表記を見かけることが増えました。
たんぱく質といえば肉や魚などのイメージですよね。プラントベース食品を選択することで、たんぱく質不足にはならないのでしょうか?
ここではプラントベース食品を選ぶメリットや、たんぱく質が不足しないかについて解説していきます。
プラントベース食品ってどんなもの?

プラントベース食品とは、動物性原材料ではなく、植物性原材料を使用した食品のことです。植物性原材料には、大豆製品や、野菜、果物、ナッツ、穀類などがあります。肉のように加工された大豆ミートや、豆乳で作られた豆乳ヨーグルト、こんにゃくで作られたお刺身などが製造販売されています。加工食品に”プラントベース”と表記してあっても、添加物の一部に動物性原材料が含まれていたり、同一の製造ラインで肉や卵など食物アレルギー表示の対象となる食品を製造していることがあります。そのため、アレルギーの方や、動物性原材料を控えたい方は、表示内容をよく確認し、選択することが大切です[1,2,3]。
プラントベース食品を選ぶ3つのメリット
なぜ動物性食品ではなく、プラントベース食品を選択する人が増えているのでしょうか?プラントベース食品を選択するメリットを3つご紹介します。
1.食物繊維を含む

プラントベース食品には食物繊維が多く含まれていますが、なんと動物性食品にはほとんど含まれていません。食物繊維の摂取量が不足すると、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、がんなどの生活習慣病の発症率や死亡率が上がるといわれています。令和元年国民健康・栄養調査によると、日本人は平均的に生活習慣病予防のために必要な食物繊維摂取量の目標量を満たせていないことが分かっています[2,7]。
2.老化物質の発生を抑える

老化物質であるAGEは、血糖値が高いほど発生するといわれています。食物繊維が豊富な食品を食べることで、食後の血糖値上昇が緩やかになることが分かっているため、高繊維なプラントベースの食事は、老化のスピードを緩やかにできる可能性があります。また、2023年に行われた米国の成人における研究では、プラントベースの食事を続ける人は、続けない人に比べて糖尿病発症のリスクが低いことが報告されています[4,5,6]。
3.環境に配慮した選択ができる

人間が引き起こす温室効果ガス排出量の 91~97% のうち、60% は動物農業によるものということが分かっています。家畜の飼育では、大気中の熱を閉じ込める力が強いメタンというガスが発生します。また、森林伐採のほとんどは、動物を飼育し、家畜の餌となる作物を栽培するための牧草地や耕作地を拡大する目的で行われており、これらは地球温暖化の顕著な原因となっています[4]。
1日に必要なたんぱく質はどのくらい?
たんぱく質は体内で合成できず、必ず食事から摂取しなければならない必須栄養素です。筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの構成成分であり、ホルモン・酵素・抗体などの調節機能を担っている生命の維持に欠かせないものです[5]。厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日に推奨されるたんぱく質の摂取量は、18歳以上の男性で60g/日以上、女性で50g/日以上とされています。ただし、運動量が多い場合や、腎臓病などの疾病がある場合はこの限りではありません[5]。
動物性食品で摂れるたんぱく質はこのくらい

たんぱく源となるイメージがある肉・魚・卵などには、1食分でどのくらいのたんぱく質が摂れるのでしょうか?次の表で確認してみましょう。
【動物性食品1食分に含まれるたんぱく質量】
【出典】文部科学省「食品成分表(八訂)増補2023年」より
プラントベース食品で摂れるたんぱく質はこのくらい
代表的なプラントベース食品には、下記の表のようなものがあります。

【プラントベース食品1食分に含まれるたんぱく質量】
【出典】文部科学省「食品成分表(八訂)増補2023年」
プラントベースな食事でたんぱく質不足になる?

2021年に行われたヨーロッパ人を対象とした研究では、プラントベース食品のみを食べる人は、食べない人に比べて、1日に必要なたんぱく質量をわずかに下回っていることが報告されています。さらに、ビタミンB2 、ビタミンB12 、ビタミンD、ナイアシン、鉄、カルシウム、ヨウ素の摂取量が少ないことも分かっています。大豆製品は、1食分当たりのたんぱく質は多いですが、他のプラントベース食品は動物性食品に比べて少ない傾向にあります。豆乳やオートミール、おからパウダー、きな粉などを、お料理にちょこちょこ足していくことで、たんぱく質の摂取量を増やすことができます。ご飯にもち麦やキヌアを入れて炊くのもおすすめです。「私の完全美容食」は、たんぱく質だけでなく、食物繊維、鉄、カルシウムも含んでいるため、これらを手軽に補給できるアイテムとして活用できます[10,11]。
プラントベース食品は一つの選択肢として取り入れましょう

食事がプラントベース食品だけに偏ると、たんぱく質だけでなく、主に動物性食品に含まれるビタミンB12や、鉄分、カルシウムなど様々な栄養素が不足する恐れがあります。これらの栄養素が不足しないように注意しながら、無理なくプラントベース食品を選択していくと良いでしょう[11]。
【参考文献】
(すべて2024年7月1日閲覧)
[1]消費者庁, プラントベース食品って何?[3] 消費者庁, プラントベース食品等の表示に関するQ&A
[8]オーサワジャパン株式会社, オーサワの国産大豆ミート(バラ肉風)
[10]As-meエステール株式会社, 私の完全美容食 黒糖プレーン味
プロフィール
美腸栄養学を軸に、毎日の食事で体の内側から肌トラブルを予防・改善に導く料理教室ricca.kitchen を主宰。フリーランスの管理栄養士として、コラム執筆・監修、レシピ開発を行う。
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