大豆イソフラボンと女性ホルモンの関係について管理栄養士が徹底解説!
大豆イソフラボンは、多くの女性から注目されている成分の一つです。しかし、実際にどのような働きがあるのかはよく分からないという方も多いかもしれません。ここでは、大豆イソフラボンと女性ホルモンの関係について解説します。
大豆イソフラボンってなに?
大豆イソフラボンとは、大豆、特に大豆胚芽に多く含まれる成分のことです。女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きがあることから、植物性エストロゲンとも呼ばれています。
大豆イソフラボンは、食品中では糖が結合した大豆イソフラボン配糖体という形で存在しますが、腸内細菌により分解されると大豆イソフラボンアグリコンという物質に変換される特徴があります[1]。
大豆イソフラボンは女性にとって嬉しい働きがあるって本当?

ここでは、大豆イソフラボンの摂取によって期待されている働きについて、解説します。
1.更年期の症状を改善
更年期障害とは、加齢により女性ホルモンであるエストロゲンが大きくゆらぎながら低下していくことで起こる不快な症状のことです。主な不快な症状は、顔のほてりやのぼせ、ホットフラッシュ、頭痛、肩こりなど、人によってさまざまです。
植物性エストロゲン(イソフラボン、リグナン)を摂取した人としていない人を比較した研究をまとめた報告によると、摂取した人は、ホットフラッシュの頻度が有意に減少したことが明らかにされています[2,3]。
2.美しい肌を保てる
エストロゲンは、肌のつややハリを保つ役割があるため、加齢や生活習慣によってエストロゲンの分泌が減少すると、肌の調子が悪くなる場合があります。
あまり多くの研究はされていませんが、閉経前の日本人女性を対象とした研究では、イソフラボン40 mg/日のサプリメントを3か月間摂取したところ、小じわが有意に減少したことが報告されています[4,5]。
3.高LDLコレステロール血症の予防
コレステロールは全身の細胞膜の成分になるため、体にとって必要な成分です。しかし、増えすぎるとLDLコレステロールが血管に沈着し、酸化されることによって動脈硬化を起こし、狭心症や心筋梗塞を発症しやすくなることが分かっています。
複数の研究をまとめた報告によると、食品由来の大豆イソフラボンを1〜3ヶ月摂取することで、LDLコレステロールが減少することが示されています。この研究での対照群と介入群の摂取量の平均差は102mg/日でした[6,7]。
4.骨粗鬆症の予防
骨粗鬆症とは、骨強度(骨の強さ)が低下して、骨折しやすい状態になることです。骨の強さは、骨量の指標となる「骨密度」と骨の構造の「骨質」の2つの要因によって決まります。
閉経によりエストロゲンが減少すると骨量が減少し、骨折しやすくなることが分かっていますが、大豆イソフラボンを摂取することで、体内ではエストロゲンに似た働きをすることから、骨粗鬆症の予防につながると言われているのです[1,8]。
大豆イソフラボンを効率よく摂る方法は?

大豆イソフラボンは、納豆や豆腐など大豆を原料とする加工食品のほとんどに含まれていますが、原料大豆の種類や食品の製造方法などによって含有量は異なります。
食事バランスガイドでは、大豆や大豆製品を使った料理は主菜として、肉料理、魚料理、卵料理と合わせて1日に3皿程度摂ることを推奨しているため、日々の食事に一つでも大豆製品を取り入れることを心がけると良いでしょう。大豆イソフラボンを効率よく摂取するために、大豆プロテインを活用するのも一つの方法です[1]。
食品以外から摂取する大豆イソフラボンの量には注意が必要!?
どんなに身体に良いと言われる成分だからといって、摂れば摂るほど良いというわけではありません。食品安全委員会の「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」によると、大豆イソフラボンアグリコンの1日あたりの摂取量に上限が設定されています。上限値は70~75 mg/日ですが、この上限値は、この量を毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としての値です。また、特定保健用食品として大豆イソフラボンを食事以外に上乗せして摂取する場合の上限は、30mg/日となっています。上限を超えると直ちに健康被害が出るという報告はありませんが、サプリメントなど大豆イソフラボンを強化した健康食品を利用する場合は摂り過ぎに注意しましょう。
ちなみに、私の完全美容食の1食分のイソフラボンは16mg相当です。私の完全美容食1食分は、毎日摂っても過剰摂取にならずに、適度な量を効率よく摂取することができます[1]。
健康的な毎日のために大豆イソフラボンを取り入れよう!
大豆イソフラボンと女性ホルモンの関係についてお分かりいただけたでしょうか。大豆製品は、日本人の健康的な食事に必要不可欠です。健康のためには日々の食卓に適量の大豆製品を取り入れ、バランスの良い食生活を心がけましょう。
【参考文献】
(すべて2024年8月21日閲覧)
[1]農林水産省, 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A[4]厚生労働省, 働く女性の心とからだの応援サイト, 女性ホルモンとライフステージ
[6]一般社団法人日本動脈硬化学会, コレステロール摂取に関するQ&A
[8]厚生労働省, e-ヘルスネット, 骨粗鬆症の予防のための食生活
プロフィール
調剤薬局で栄養指導業務を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。栄養指導を行う中で間違った健康情報に振り回されている人が多いことを実感し、危機感を感じていた。その経験から現在は、世の中の人々が間違った健康情報に振り回されることなく、正しい健康情報を入手できるように科学的根拠のある健康情報を分かりやすい言葉で発信するライターとして活動している。


