脂質って本当にダイエットの敵?美レディになるための脂質の選び方
ダイエットを成功させるために、脂質が少ない食品ばかりを選んではいませんか?脂質はダイエットの敵と思われがちですが、美しく痩せる為には、脂質は必要不可欠な栄養素です。健康で美しく過ごすために脂質の選び方について管理栄養士が解説します。
脂質がダイエットの敵だと思われてしまうわけ

体重の増減は摂取エネルギー(カロリー)と消費エネルギー(カロリー)のバランスで決まります。消費エネルギーが摂取エネルギーを上回れば体重は減り、反対に、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると体重が増えます[1]。
エネルギーになる栄養素は、炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質の3つの栄養素で、三大栄養素と呼ばれています。炭水化物(糖質)、たんぱく質が1gあたり4kcalであるのに対し、脂質は1gあたり9kcalと2倍以上のエネルギーに変換されます[1]。脂質をとると摂取エネルギーが多くなる傾向があり、体重が増えやすいことが”脂質=ダイエットの敵”と思われてしまう原因の1つです。
美しく痩せるには脂質が必要
脂質はエネルギー源になるだけではありません。体の細胞膜を構成する成分となったり、ビタミンの吸収を助ける役割をしています。また、女性ホルモンをはじめとするホルモンの材料でもあります[1]。脂質のとりすぎは肥満を招きますが、美しく痩せるためには脂質の摂取は必要不可欠です。
脂質をとり入れるときに意識したいことは?

脂質をとり入れるうえで意識したいことは、脂質の一部を構成している脂肪酸の種類と酸化です。脂肪酸は大きく分けて、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分かれています[2,3]。それぞれの脂肪酸の特徴と含まれている脂肪酸の割合が多い食品について下記に紹介します。
(1) 飽和脂肪酸
常温で個体の飽和脂肪酸は体のエネルギー源になります。しかし、とりすぎると動脈硬化の原因となるLDLコレステロールが増加し、心筋梗塞などのリスクに[1,3]。近年の食生活は飽和脂肪酸の過剰摂取の傾向があり、問題視されています[4]。食事から摂取する、飽和脂肪酸を減らし、不飽和脂肪酸を増やすことで生活習慣病の予防が期待されています[1]。
【飽和脂肪酸の割合が多い食材】
肉類や乳製品などの動物性食品、バター、ラード、パーム油などの油類、お菓子類など。
※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年より[5]
(2) 不飽和脂肪酸
常温で液体の不飽和脂肪酸は構造上の違いから多価不飽脂肪酸(オメガ3、オメガ6)と一価不飽和脂肪酸(オメガ9)に分類されます[3]。なかでも、オメガ3、オメガ6は必須脂肪酸と呼ばれ、体内の中では合成できず、食事からの摂取が必要になる栄養素です。ダイエット等で極度の脂質制限をして、これらが欠乏すると皮膚炎などの不調を招いてしまいます[1,5]。
【不飽和脂肪酸の割合が多い食材】

※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年より[5]
不飽和脂肪酸は、その構造上から酸化しやすいといわれています。酸化を引き起こす主な原因は熱、光、酸素などに触れること[7]。いくら不飽和脂肪酸を多くとっていても、酸化していたら健康に悪影響を与えるものになってしまいます[7,8]。不飽和脂肪酸の中でも、特に酸化しやすいオメガ3の割合が多い油は揚げ物などの高温での調理を避け、ドレッシングなどにしてそのまま食べるのがおすすめ。保存方法も密閉容器に入れて冷暗所で保管しましょう。
脂質選びで美しく健康に
脂質のとりすぎは、肥満や生活習慣病のリスクになりますが、不足には気をつけたい栄養素の1つです。脂肪酸の種類や酸化などを意識し、良質な脂質をとり入れることが大切。「私の完全美容食」に使用されている大豆の脂質には、オメガ6(リノール酸)の割合が多く、必須脂肪酸を手軽にとることができます[5]。日々の食事の中で、脂質のとり方を工夫して、いつまでも健康で美しい身体をめざしましょう。
【参考文献】
(すべて2024年5月24日閲覧)
[1]厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2020年版)[5]文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
[7]辻英明他, 食べ物と健康,食品と衛生 食品学総論 第4版 (栄養科学シリーズNEXT), 講談社, 2021年, p123-129
[8]厚生労働省, e-ヘルスネット, 活性酸素と酸化ストレス
プロフィール
大学卒業後、保育園施設で栄養士業務の経験を経て、管理栄養士の免許を取得。現在は、栄養士養成課程の助手、糖尿病専門クリニックでの栄養指導や専門学校での食育の講師などを行う。科学的根拠を基に正しい情報を発信し、健康な人を増やしたいという想いから、コラム執筆やセミナー講師などフリーランスとしても活動中。
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