“10年後のきれい“も叶える!【管理栄養士推奨】栄養価がすごい野菜6選

「素肌がきれいね」「あの頃と全然変わらないね」そんな言葉を同年代の女性にかけられると最高に嬉しいですよね。いつまでも若く見られたい、ずっときれいな自分でいたい…、そう願うのはきっとあなただけではありません。
そこで、今回は日頃から美容と健康を気にかける方へ“10年後のきれい”につながる注目の栄養素と、それらを効率よく摂れるおすすめの野菜をご紹介します。
美の鍵を握る!積極的にとりたい栄養素は何?

きれいに年齢を重ねていきたいなら、老化を加速させないために血管や腸の健康維持を意識することがとても大切です。
健康的な美しさを叶えるために、特に注目したい栄養素をピックアップしてみました。
■抗酸化ビタミン
年齢を重ねる毎に体内で生成される酵素の量は減少していきます。抗酸化ビタミン(ビタミンA・C・E)は酵素によって処理しきれない活性酸素の働きを抑える抗酸化物質として注目されています。疲労やストレスなどから体を守る機能をサポートしてくれることから、心と体の健康を支えるために積極的にとりたい栄養素の1つです。[1,2]
ビタミンA
ビタミンAは脂溶性ビタミンとして食品中にβ-カロテンとして多く含まれています。このβ-カロテンには活性酸素の発生を抑える働きがあり、目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を強めるような働きがあるため美肌に関わる栄養素の1つと言われています。
ビタミンC
ビタミンCは水溶性ビタミンの1つで、過酸化脂質の生成を抑える働きがあります。また皮膚や筋、軟骨などを構成するたんぱく質のコラーゲン生成にも関わるため、美容を意識したときにとりたい栄養素の1つです。さらにビタミンCは、鉄やカルシウムの吸収を良くする働きも担うため、貧血や骨粗鬆症など女性特有の健康問題を予防することにも繋がります。
ビタミンE
ビタミンEは脂溶性ビタミンで、強い抗酸化作用を持っており、細胞内の過酸化脂質の生成を抑える働きがあります。
■食物繊維
食物繊維は人の消化酵素で消化しきれない成分のことをいい、大きく分けて水に溶ける “水溶性食物繊維”と水に溶けにくい“不溶性食物繊維”に分かれます。
健康を維持するために、太りにくい体質づくりや腸内環境にも目を向けることがとても大切です。ダイエットや美容に関連して注目されている食物繊維の働きには次のようなものがあります。[3]
・整腸作用
・脂肪やナトリウムの吸収を抑え体外に排出
・糖の吸収を穏やかにし食後の血糖値の急上昇を抑える
きれいを叶えるおすすめ野菜6選

次に、美しさの鍵を握る栄養素を多く含むおすすめの野菜をご紹介します。野菜には年中手に入りやすいものから、旬の時期だけ楽しめるものまで、幅広い種類がありますが、その中から6つを厳選してみました。
彩りが良い野菜ばかりですので、取り入れることで食卓がパッと華やかになり、見た目も栄養価もワンランク上のお食事を楽しめそうです。[4,5,6]
■手軽に買える野菜3選

日本人に多く食べられている野菜の中から、抗酸化ビタミンと食物繊維を多く含み、手軽にお店で購入できる野菜をご紹介します。これらは冷凍野菜の定番でもあるため、季節問わず入手できるのが嬉しいですね。
ほうれん草
ビタミンAの含有量は野菜の中でトップクラスです。一年中出回りますが、とりわけ12月のほうれん草のビタミンC量は通年の3倍含まれていると言われています。ビタミンCを無駄なくとるために、ゆで過ぎないように注意しましょう。
かぼちゃ
今回おすすめする栄養素を満遍なく含みます。特にビタミンE量は野菜の中でもトップクラスです。購入する際は重力感があって皮が黒いものがよく熟していて美味しいと言われています。焼いても蒸しても美味しく、和食にも洋食にも使える便利な野菜です。
ブロッコリー
ビタミンC、食物繊維の含有量は野菜の中でもトップクラスです。11〜12月に旬を迎えるアブラナ科の冬野菜として知られていますが、店頭はもちろん冷凍野菜の定番として1年中出回っているため、いつでも購入できるのが嬉しいですね。さっとゆでて、サラダやおかずなどに添えてみてはいかがでしょう。
■これ知っている?珍しい野菜3選

日本人にはまだあまり馴染みがない野菜ではありますが、栄養価が高いものをご紹介します。見た目がおしゃれで、写真映えも抜群。おもてなしのお料理に使うのもおすすめです。
トマピー
トマトの様な形をした新種のパプリカで、独特の苦味がなく甘いので、子供でも生で食べやすいと注目されています。小さめのトマピー半分で成人が1日に必要なビタミンCがとれてしまうほどビタミンCの含有量が多い特徴があります。スライスしてサラダにしたり、炒め物にも使えます。
ケール
ケールは食物繊維やビタミンAの含有量が多い野菜です。少々味のクセが強く青汁などの健康食品やスムージーなどに活用されているイメージがありますが、欧米ではサラダの定番葉野菜として積極的に食べられているようです。
最近では味のクセが少ない種類がスーパーで手に入るようになり、日本の食卓でも徐々に浸透しつつあります。なるべく柔らかいものを選び、生のまま細かく切ってサラダにして食べるのがおすすめで、特にシーザードレッシングとの相性は抜群です。
芽キャベツ
キャベツの親戚で直径は2〜3cm。一年中出回っていますが霜が降りてからの2月までに収穫される分は柔らかくて甘みがありおいしいと言われています。ビタミンCはキャベツの3倍以上も含まれています。半分に切って断面を軽く焼き、オリーブオイルと塩をかけるだけでも美味しいですよ。
野菜は1日どのくらいを目安に食べたらいいの?

野菜は種類によって含まれる栄養素も異なるため、今回ご紹介したもの以外にも、いろんな種類の野菜を取り入れてみてください。忙しい生活を送る中で十分な量の野菜を食べられないときには、冷凍野菜やカットサラダなど便利な食品を積極的に活用しながら健康的な食生活に近づけましょう。[7]
※医療機関を受診されている方は必ず担当医師の指示に従ってください
美容に効果的な野菜の食べ方ってあるの?
毎日のお食事から美容に良いとされる栄養素を効率よくとるために知っておきたい、調理の際のひと工夫をご紹介します。[4,8]
■ビタミンCをなるべく逃さず効率よくとるには?
ビタミンCは熱に弱く水に溶けやすい特性を持ち、長期保存によっても失われていきます。そのためビタミンCを効率よくとりたい場合は、なるべく新鮮な野菜をサラダなどで生のまま食べるのがおすすめです。
野菜を加熱して食べる場合は、なるべく最小限の加熱に抑え、特にゆで調理をする場合はゆで汁への流出を抑えられるよう、ゆですぎないように気をつけると良いでしょう。加熱によりどうしても含有量は減ってはしまう傾向がありますが、スープや味噌汁に入れて汁ごといただくような食べ方にすると流出したビタミンCも無駄なくとることができます。
また、野菜の種類や加熱時間にもよりますが、ゆでるよりも電子レンジで加熱した方がビタミンCの減少を比較的抑えられることが分かっています。
■ビタミンA、Eを、まるごと効率よくとるには?
ビタミンA、Eは油と相性がいい特性を持つため、ドレッシングやオイルをかけたサラダや炒め物にするとより効率よく摂取できます。
野菜には、とりすぎるとよくない栄養素が含まれているって本当?
今回ご紹介した栄養素の中で、ビタミンAは体内に蓄積しやすく、過剰に摂取してしまった場合の健康被害が確認されています。しかし、通常の食事のとり方でとりすぎてしまうことはなく、気にする必要はありません。サプリメントや健康食品などで特定の栄養素だけを集中して補給する場合は気をつける必要があります。[2]
野菜だけでは理想のキレイは作れない!

SNSなどのメディアで誤った情報がたくさん流れていますが、「これを食べればキレイになれる!」といった魔法のような効果をもつ食品は存在しません。
ダイエット目的などで野菜ばかりの食生活を送っている方は要注意。どのような食事方法にも共通して言えることですが、特定の食品だけを食べる・抜くといったような偏った食生活は、必要な栄養素が不足し、便秘や貧血などのトラブルを生む可能性があります。
人の体を動かし、生命の維持に欠かせないエネルギー源となる栄養素は糖質、脂質、たんぱく質であり、野菜ばかりを食べていると、これらの栄養素が不足してしまう恐れがあります。ただ痩せるだけでなく、健康的な美しさを手に入れたいのであれば、ごはんやパン、麺類などの主食や肉・魚・豆・卵・乳製品なども取り入れて食事全体のバランスにも目を向けましょう。[9]
10年後のきれいを叶えるために、バランスの良い食習慣を続けましょう!
今の生活習慣が未来の美しさをつくる鍵となり後に大きな差を生みます。適度な運動や十分な睡眠に加えて、食べ物の種類や量を意識し規則正しい生活を送った先に手に入れる“健康な体”があるからこそ、理想の美しさが叶うということをお忘れなく。
ご自身のライフスタイルに合わせて野菜を上手に取り入れて、食事を美味しく楽しみながら“10年後のきれい”を叶えて、いつまでも笑顔が素敵な女性でありたいですね。
【参考文献】
[1]厚生労働省,e-ヘルスネット/抗酸化ビタミン[7]厚生労働省,健康21
プロフィール

管理栄養士の資格を取得後、精神科病院、老人保健施設、保健センター等に勤務し、給食業務や栄養管理業務で赤ちゃんからお年寄りまでの栄養指導を経験。現在は「スポーツキッズを伸ばす管理栄養士」として小中学生アスリート向けの“手間暇かけない栄養満点スポーツ食で、子供のベストパフォーマンスを引き出す”をコンセプトにした、パーソナル栄養講座を開催し、チームや個人の方の栄養サポートを行っている。