牛乳はたんぱく質のほかにカルシウムも含まれている食品です。カルシウムは、骨や歯に必要な栄養素で、生体内に最も多く存在するミネラルです。カルシウムが不足することで骨粗鬆症などを引き起こしやすくなります。

『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、骨の健康のためにとりたいカルシウムの１日の推奨量が次のように定められています[3]。

男性：18〜29歳で800mg、30〜74歳で750mg、75歳以上で700mg
女性：18〜74歳で650mg、75歳以上で600mg

しかし、現代の日本人はカルシウム不足傾向にあることが
令和元年の国民健康・栄養調査で明らかになっています[4]。

【カルシウムの平均摂取量】
男性：20歳以上が503mg、65〜74歳が558mg、75歳以上が561mg
女性：20歳以上が494mg、65〜74歳が567mg、75歳以上が525mg

そのため、カルシウムを多く含む牛乳は誰しもが積極的に取り入れたい食品のひとつとも言えます。しかし、牛乳は豆乳に比べて脂質が多いため、ダイエットをしている方や脂質を気にしている方は、低脂肪乳や無脂肪乳を選ぶのがおすすめです。

豆乳はたんぱく質のほかに、赤血球の生産を助ける葉酸や体の水分量を調節するカリウム、神経伝達やエネルギー産生に関わるマグネシウム、赤血球の生産に関わる鉄を含みます。そのほかにも、大豆イソフラボンが含まれていることも魅力のひとつです。

大豆イソフラボンは主に大豆の胚芽に多く含まれています。植物エストロゲンのひとつといわれており、大豆イソフラボンの構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ていることから、エストロゲンと同じ働きをするといわれています。

それにより大豆イソフラボンは骨粗鬆症の予防や更年期障害の軽減などに有用とされている栄養素です[5]。

以上のことから、豆乳には女性にとって嬉しい栄養素が詰まっており、なおかつ普通牛乳よりも脂質が低いため、ダイエット中の方にもおすすめです。しかし、一般的に豆乳の中でも“調整豆乳”には、飲みやすくするために砂糖が使用されているため、カロリーや糖質を抑えたい方は“無調整豆乳”を選ぶようにしましょう。

プロテインを牛乳と豆乳で溶かした場合、それぞれの風味が加わるほかに、牛乳で溶かした場合には口当たりがまろやかに感じたり、甘さが加わったような味わいになります。一方、豆乳で溶かした場合は牛乳よりもすっきりとした味わいになります。

そのため、濃厚な味を楽しみたい方は牛乳、すっきりとした味が好みの方は豆乳がおすすめです。

牛乳と豆乳には良質なたんぱく質のほかにも私たちの体には欠かせないさまざまな栄養素が含まれています。水以外にもプロテインを溶かすものは不足しがちな栄養素や気分に合わせて、牛乳や豆乳を選ぶようにしてみてくださいね。