女性におすすめの雑穀は、スーパーフードだった?!魅力を管理栄養士が解説
健康志向が高まり、食事に雑穀を取り入れる方も増えてきています。
最近はスーパーなどで「雑穀ブレンド」、「十穀入りご飯」などと書かれた食品を
よく目にするようになりました。
さらに外食やおにぎり、お弁当のごはんに雑穀や玄米を加えて売られている商品も多くみられます。
そんな雑穀ですが、実は海外でもスーパーフードとして今注目をあつめています。
雑穀とは、白米以外の穀物の総称で、アワやキビ、ヒエ、ソバ、ごま、はと麦、大麦、さらに大豆や黒豆など豆類、玄米などの幅広い穀物が含まれます。
では、実際に雑穀にはどのような魅力があるのでしょうか。
この記事では、管理栄養士が雑穀の4つの魅力について詳しく解説していきます。
1.白米よりも食物繊維が豊富
■食物繊維とは?
食物繊維は、腸内環境を整え便秘の改善に役立つといわれています[2]。
そして白米と比べて雑穀は食物繊維が多いため、たくさん噛むことができます。
そのため、雑穀はダイエット中の方にも最適な食品といえます。
『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、生活習慣病予防のためにとりたい食物繊維の目標量が定められており、18~64歳の男性で1日あたり21g以上、女性で18g以上とされています[2]。
しかし、日本人は平均して、すべての年代で食物繊維が不足している状況です。
令和元年の国民健康・栄養調査の結果をみると、性別・年代別の摂取量は次のように報告されています[3]。
■どのくらい含まれているの?
糖質とたんぱく質が主な栄養素である白米に比べて、雑穀には食物繊維が豊富に含まれているのが特徴のひとつです。
では、実際にどのくらい異なるのか比較してみましょう[1]。
白米と比べ、すべての雑穀に3倍以上の食物繊維が含まれていることがわかります。
不足しがちな食物繊維を日々の食生活で補う際に、雑穀が役に立ちそうです。
2.女性に嬉しいビタミンを含む
■女性に嬉しいビタミンって?
雑穀に多く含まれているビタミンB1やビタミンB2、ビタミンB6、葉酸はビタミンB群の一種で、代謝に関わる栄養素です。
ビタミンB1は特に糖質を代謝するために欠かせない栄養素です。
ビタミンB2は脂質、ビタミンB6はたんぱく質を代謝するために欠かせません。
葉酸は赤血球の生産を助けたり、ホルモンの代謝に関わる栄養素です。
妊娠を計画していたり、妊娠している女性には葉酸の摂取がとても重要とされており、胎児の神経管閉塞障害のリスクを低減することが分かっています[2]。
■どのくらい含まれているの?
では、白米と比較して実際にどのくらい多く含まれているのか見ていきましょう。
種類によってばらつきはありますが、白米と比べてビタミンが多く含まれていることがわかります。
3.女性が不足しやすいミネラルを含む
■女性には欠かせない!3つのミネラルの働きとは?
雑穀に多く含まれるカルシウム、マグネシウム、鉄は、私たちの体に必要不可欠なミネラルの一種です。
カルシウムは、主に骨や歯を形成する栄養素です。
不足すると骨粗鬆症を引き起こしやすくなります。
マグネシウムは、エネルギーを作る際にも必要とされるミネラルで、
そのほかに神経伝達などにも関与しています。
鉄は、赤血球の中のヘモグロビンとなり全身に酸素を送る働きがあります。
不足することで鉄欠乏性貧血になり、だるさや息切れ、疲れやすいと感じるようになります[2]。
■どのくらい含まれているの?
雑穀はカルシウムをはじめ、マグネシウムや鉄を含みます。
種類によってばらつきはありますが、白米と比べてミネラルが多く含まれていることがわかります。
日本人はカルシウム、マグネシウム、鉄分の摂取量が少ない現状であることが、令和元年の国民健康・栄養調査の結果でわかっています[3]。
雑穀は日本人が不足しやすいミネラルも豊富に含んでいるため、毎日の食生活の中で積極的に摂取するのがおすすめです。
3.抗酸化作用も期待できる!
■女性の味方!抗酸化物質とは?
抗酸化物質は、細胞を傷つける活性酸素の発生や働きを抑制してくれます。
体に大量の活性酸素があると老化をはじめ、動脈硬化やがんなどを引き起こします [4]。
雑穀のなかでも、黒米や赤米には抗酸化物質であるポリフェノールが豊富に含まれています。
黒米ではアントシアニン、赤米ではタンニンが特徴的な成分です[5]。
黒米や赤米、緑米などといったポリフェノールを含む雑穀は、抗酸化作用をもたらし、活性酸素を抑制してくれるため、年齢に負けずにキレイでいたい女性にはおすすめの栄養素です。
雑穀のおすすめの食べ方
「雑穀を調理するのは難しそう…」というイメージをもっている方も多いのではないでしょうか。
雑穀は白米と一緒に適量入れて炊く方法が、一番簡単で続けやすいためおすすめです。
分量は“〇合分で1パック分”といった分量を量らなくて済む商品がスーパーに売られているので、
手軽に始めることができます。
白米と一緒に炊く以外でおすすめなのは、そのままスープに入れてふやかして食べるのも手軽にできるおすすめの食べ方です。
さらに、忙しい人は雑穀が使われたプロテインを用いるのもよいでしょう。
雑穀を日々の食生活の味方につけよう
雑穀の魅力をご紹介しました。
お腹にも優しく、女性に嬉しい栄養素が手軽に摂取できる雑穀を
毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
実は“私の完全美容食”にもたくさんの雑穀が使用されています。
気になった方はぜひホームページをご覧くださいね。
【参考文献】
(すべて2023年9月12日閲覧)
[1]文部科学省, 日本食品標準成分表2020年版(八訂)[5]農林水産省, お米 品種
プロフィール
【プロフィール】歯科管理栄養士×健康・食品ライター 石川 桃子
歯科医院で専属管理栄養士として勤めており、歯の不調をはじめとするさまざまな症状に対し、一人ひとりのライフスタイルに合わせた食事・栄養指導を行っている。加えて、食べる入り口となる≪お口の健康=身体の健康≫を伝えたい、毎日の食事で健康になるための正しい知識を発信したいという想いから、健康・食品ライターとしても活動を続けている。
HP:https://momoko-dentalnutrition.com/
Twitter:https://twitter.com/mmk_rd