これも更年期症状?ジワジワ太る理由とは?
「若いころと同じように生活しているのに、日に日に体が丸くなってきた」
「着たい洋服よりも着られるものを選ぶようになってきた」
なんて、感じていませんか?
もし食事に気をつけていたとしても痩せないとしたら、それは更年期が関係しているかもしれません。実は、更年期太りをそのままにしておくと困った事態につながる恐れも。
今回は、更年期に太りやすくなる原因と、太らないようなるべく早く意識をしたい対策をお伝えします。
更年期に太るのはなぜ?
中年太りという言葉があるように、更年期以降の女性は体脂肪の蓄積が増加しやすく内臓型肥満になりやすいといわれています。
内臓脂肪型肥満になりやすい理由は、以下のように複数あります。
(1)加齢や閉経による運動量の低下や筋力の低下
(2)エネルギー摂取量と消費エネルギー量のアンバランス(摂取量>消費量)
(3)女性ホルモン(エストロゲン)の低下
さらに、年齢を重ねるとともに生活習慣病の発症リスクも高まっていきます[1]。
この体の変化は誰にでも起こりうることです。だからと言って、体重増加に歯止めがかからなくなってしまうと怖いことに繋がりかねません。
中年太りをそのままにしてしまうとどうなる?
肥満は更年期症状と関連しており、体格指数BMI(body mass index、体重kg/身長m2乗で算出)が高いほど、のぼせ、ほてり、発汗をはじめとしたホットフラッシュが出やすいといわれています。
特に、内臓脂型肥満や閉経以降に起こるさまざまな体内の変化は、心臓病や脳卒中などへの罹りやすさと関係しています。
そのため、生活習慣病の予防や改善のためにも適正な体重を保つことが必要です [2]。
太りやすい更年期に意識したいポイント
適正な体重を保ち、病気を予防するためには、食生活や運動などの生活習慣を見直すことが重要です。
(1)食事のとりかた
食事は、1日3食で必要な栄養がとれるようにします。食事内容だけでなく、ゆっくり時間をかけてよく噛んで食べるといった食行動も併せて意識することが大切です。また、「これを食べたら痩せる」というような特定の食品ばかりを食べるダイエット法や食事を抜くなどの過度のダイエットは、結果として体調不良を招いたり、リバウンドをしてしまう心配がありますので、避けましょう。
さらに、大豆製品に含まれる大豆イソフラボンも更年期症状の緩和に役立つと注目されています。ホットフラッシュの頻度や重症度、肩こりが改善したとの報告があることから、大豆や納豆、豆腐などの大豆製品は、良質なたんぱく質源であり、カルシウムなども含み日常的に取り入れたい食品です[4]。
最近注目されているソイプロテインもダイエットのためではなく、大豆に含まれる栄養素をとるための補助食品として利用できます。しかし、何事も過ぎたるは及ばざるが如し。大豆イソフラボンの過剰摂取は体調不良のリスクがあります。サプリメントで取り入れるときには、商品パッケージに書かれた摂取方法や目安量を守り、体調の変化に気をつけるようにしましょう[5]。
(2)運動の仕方
運動は、更年期症状の改善や適正体重の維持、生活習慣病の予防、骨粗鬆症予防のために必要です。運動の種類はどのようなものでもよいとされており、例えばヨガやウォーキングなど気軽にできることを継続し、体重管理をすることが大切です。
運動時間は、1日あたり30~60分程度、1週間の合計が140~160分位が望ましいとされています。また、運動する時間帯は食後2時間くらいを目安に、早朝空腹時、食直後、入浴後、飲酒後などは避けるようにするといいでしょう[1]。
更年期太りを防ぐには生活習慣の見直しから
更年期太りは、そのままにしていると生活習慣病や心臓病、脳卒中などに進んでしまう可能性があります。そうとはいえ、極端なダイエットは避け、必要な栄養をしっかりと補給し、運動はまずはできることに取り組んでみましょう。ぜひ今日から一つずつ、できることから始めてみてくださいね。
【参考文献】(すべて2023年5月9日閲覧)
[1]日本女性医学学会, 女性医学ガイドブック更年期医療編2019年度版[2]厚生労働省, e-ヘルスネット,メタボリックシンドローム(メタボ)とは?
プロフィール
https://mochizukimaiko.com/