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生理前のイライラにソイプロテインが良いって本当?

女性ならではのイライラや気持ちの不安定さに辛さを感じたことはありませんか?病院に行くほどではないけれど、仕事の効率が下がったり、人間関係が悪くなるような悪循環は避けたいですね。

そんな女性ならではの気持ちの不安定さを改善するために、どのような対策ができるのか、食事・食生活から解説します。

女性がイライラしやすい理由

ある程度のイライラは、誰にでもある感情ですが、女性では男性より生物学的にストレス耐性が低いため、気分の落ち込みやイライラを感じやすくできています[1]。また、月経周期や心身に影響する女性ホルモンが短期間のうちに大きく変動することも気持ちが不安定になりやすい原因の1つです。特に月経前症候群(PMS)のうち、気分の落ち込みや怒りっぽくなるといった症状を強く感じる場合には、月経前不快気分障害(PMDD)の疑いがあります[2]。女性ホルモン(エストロゲン)の急激な変化による脳機能のバランスの崩れを放置すると、うつ病を発症してしまうことがあるため、 月経後も不快感が続く場合は早めに受診しましょう[2]。

次に、PMDDでお悩みの場合、気をつけることを見ていきましょう。

女性ホルモンに食事が影響?

PMDDの症状をやわらげるには、カウンセリングや運動療法、薬物療法などのほかに、規則正しい睡眠や生活、禁煙、定期的な適度の運動など生活全体を通して症状緩和のための取り組みが必要です[3]。そのなかでも、食事について分かっていることがあります。

イライラをやわらげる食事のポイント

朝食を抜いたり、無理なダイエットをしていませんか?食事を十分に取れていないと、栄養素の種類や量が不足していることがありますので、注意が必要です。食事では神経伝達物質に関わる栄養素(カルシウム、ビタミンB6、マグネシウム)をとることや、アルコールの制限で症状を緩和できる可能性があるといわれています[3]。食べたら太ってしまうと心配な場合には、1日3食欠かさず食べることで体に必要な栄養素はしっかり取り入れたうえで、間食や夜遅い時間の食事からのエネルギー(カロリー)を調整する視点が大切です。

ソイプロテインが役に立つ?

女性ならではのトラブル対策に、ソイプロテインがいいという噂を耳にしたことはありますか。ソイプロテインに含まれる大豆イソフラボンは、植物エストロゲンのひとつといわれ、その化学構造が女性ホルモン(エストロゲン)に似ているため、女性ホルモンの働きを助けると考えられています。

これまでの研究で、骨粗しょう症の予防や更年期障害の軽減等に有用であると分かっています[4]。しかし、PMDDについては有用であるとの報告もありますが、現時点では十分なエビデンスは定かではないようです。今後の研究で明らかになっていくと思いますので、この分野の研究から目が離せません。

「私の完全美容食」には、大豆イソフラボンのほかにカルシウム、ビタミンB6、マグネシウムも含まれています。食事だけでとりきれない栄養素を補うことで、栄養不足によるイライラを防ぐことに役立ちそうです。

イライラを軽くするには食事も

女性のメンタル不調への対策に、毎日の食事も大切であることはご理解いただけましたでしょうか。女性は、ホルモンの変動によってイライラを感じやすくなっています。1日3食の食事の栄養バランスを意識し、忙しい時には上手にソイプロテインの力を借りて、毎日を好調に過ごせたらいいですね。
まずは、日常の中で無理なくできることから始めてみましょう!

【参考文献】(すべて2022年7月18日閲覧)
[1] 厚生労働省, ヘルスケアラボ, イライラ

[2]厚生労働省, スマート・ライフ・プロジェクト

[3]日本産科婦人科学会,産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2020

[4]食品安全委員会,大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A

プロフィール

mochidukimaiko
【プロフィール】管理栄養士 望月麻衣子 管理栄養士取得後、幼児の食事から高齢者の介護食まで各ライフステージの栄養食事指導を経験。現在は、中学受験合格を目指す親子向けに食べる脳トレで差をつけていく育脳食サポート、成人の方を対象に特定保健指導(メタボ改善指導)をしている。
https://mochizukimaiko.com/