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キレイなあの人は”大豆”を食べている!?
大豆製品と大豆プロテインを使うメリットを徹底解説!

大豆

日本で昔から親しまれてきた大豆は、さまざまな栄養素を含むことやサステナビリティの観点などから、
世界で注目を集めており、健康や環境に関する研究が進められています。

近年、健康面だけでなく美容にも良いというイメージが広まりつつある大豆ですが、実際にどのような栄養素が含まれていて、それらにはどのような働きがあるのかご存知でしょうか。この記事では、大豆の魅力を栄養学の面から管理栄養士が詳しく解説していきます。

大豆に含まれる代表的な栄養成分

大豆

大豆には3大栄養素である炭水化物、脂質、たんぱく質がバランスよく含まれています。なかでも大豆は豆類の中で良質なたんぱく質が豊富に含んでいるのが特徴のひとつです。そのほかにも、赤血球の生産や細胞の分裂や繁殖に重要な役割をもつ葉酸や日本人が不足しやすいカルシウムや食物繊維、大豆イソフラボンを含んでいます。大豆イソフラボンは、分子構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ているため、エストロゲンに似た作用があることが知られています。エストロゲンとは女性らしさをつくるためホルモンといわれており、生殖器官の発育・維持、肌のうるおいやツヤを保つ働きがあります。 [1,2,3]

では、大豆の魅力についてさらに深堀していきましょう。

大豆の魅力:高たんぱく・低脂質

大豆は別名”畑の肉”と呼ばれており、良質なたんぱく質が摂れる食品としても注目を浴びています。
大豆のほかにたんぱく質を効率よくとれる食品には、鶏肉や豚肉、牛肉などがあります。
これら肉類と異なる最大の特徴は、脂質の量が圧倒的に少ないことです。[1]

【100gあたりの脂質量】

・大豆(ゆで):9.8g
・若どり(もも肉):14.2g
・豚(バラ肉):35.4g
・牛(肩ロース):37.4g

以上のように大豆は、同じ100g当たりで比較すると肉類の半分以下の脂質量になります。脂質は1gあたり9kcalとカロリーも高いことから、肉類を大豆に置き換えて脂質の摂取量を控えることでカロリーを抑えることができるため、高たんぱくで低脂質な大豆はダイエットの強い味方になる食品と言えるでしょう。

大豆の魅力:良質なたんぱく質を効率よくとれる

良質なたんぱく質がとれる食品といえば肉・魚・卵がよく知られていますが、実は大豆も当てはまることはご存知でしょうか。たんぱく質を構成する必須アミノ酸のバランスを評価する“アミノ酸スコア”が、最高点の100に近いほど吸収効率が良い良質なたんぱく質であるとされています。大豆のアミノ酸スコアは100で、たんぱく質を効率的にとることができます。[1]

たんぱく質は筋肉をつけるために必要な栄養素であることはよく知られていますが、実は他にもお肌や髪などの構成成分でもあります。また、ホルモンや酵素、抗体などの体の調子を整える機能もあるのです。美は健康のもとに成り立ちますので、健康維持にも重要な働きを持つたんぱく質が不足しないよう大豆の力を上手に借りて美肌を手に入れたいものです。[4]

大豆の魅力:不足しやすい食物繊維が豊富

大豆には、日本人が不足しがちな食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維がありますが、大豆は特に不溶性食物繊維を多く含んでいる特徴があります。[1]

水溶性・不溶性食物繊維のどちらにも腸内の有用菌を増やして腸内環境を整える作用がありますが、不溶性食物繊維には水分を吸収して便の量を増やし、大腸の蠕動運動を促進することで排便を促進する働きもあります。美容の大敵である便秘の予防にも大豆は一役買ってくれそうです。[5]

毎日の食事に納豆や豆乳、豆腐などの大豆製品をプラスすることで、食物繊維を手軽にとることができるのは嬉しいですね。

大豆の魅力:大豆イソフラボンが豊富

化粧品の広告などで使われるようなきれいな女性

大豆ならではの機能性成分として注目されている”大豆イソフラボン”は、大豆の胚芽に多く含まれる複数の化学物質の総称です。腸内細菌によってエクオールという物質に変換されることで、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることが明らかになっています。
エストロゲンは閉経期前後の約10年間に急激に減少することが明らかになっており、そのことがのぼせや顔のほてり、動悸、息切れなどの更年期症状を発症する原因となります。大豆イソフラボンには、これらの更年期症状の緩和に役立ち、女性の健康をサポートしてくれる可能性があるのです。 [2,6,7,8]

日々の食生活にどのように大豆を取り入れるのが良いの?

大豆の魅力を説明してきましたが、特定の食品ばかりを食べ続けてしまうと栄養バランスが偏ってしまう恐れがあるため、さまざまな食品を組み合わせて活用すると良いでしょう。大豆製品には、豆腐や納豆、おから、きな粉、味噌、しょうゆなど日本人が古くから食べてきた食品のほか、肉のような食感を大豆たんぱく質で作っている大豆ミートや、豆乳を発酵させて作る豆乳ヨーグルトなどここ数年で新たな食品も広く流通し始め、大豆の取り入れ方の幅も広がってきています。

大豆を日々の食生活に取り入れる具体的な例としては、朝食に納豆や豆乳をプラスする、汁物を味噌汁に変える、お肉の代わりに大豆ミートや高野豆腐を使ってハンバーグやミートソースなどを作る、間食にソイプロテインを活用するなどがあります。ぜひ、ご自身のライフスタイルに合わせた活用法を見つけてみてください。

大豆を取り入れる際の注意点

さまざまな栄養が豊富の大豆ですが、実はたくさん食べれば食べるほど良いというわけではありません。大豆イソフラボンには、良い働きがあるとされる一方、とりすぎてしまうと疾病のリスクを高める可能性があることが指摘されています。そのため、食品安全委員会では大豆イソフラボンの1日の摂取上限の目安量を70~75mgと定めています。[8]

また、大豆は栄養が豊富に含まれている食品ではありますが、ビタミンCをほとんど含まない特徴があります。ビタミンCは、美容のためにも積極的にとりたい抗酸化ビタミンの1つですので、メニューに緑黄色野菜やデザートに旬の果物を取り入れるなど、食べ合わせを工夫すると良いでしょう。

大豆に限らずどんなに健康に良いと言われる食品であっても、特定の食品ばかりをとってしまうと、栄養バランスが偏ってしまいやすいので、さまざまな種類の食品を組み合わせてとり入れるのが大切です。

大豆を日常生活に取り入れて、キレイを手に入れよう!

大豆は美容に欠かせない良質なたんぱく質と低脂質なことに加え、女性に嬉しい栄養成分が詰まった食品です。大豆製品の中には、納豆や冷奴、豆乳飲料など、調理の必要がないものも多いため、毎日の食事で特に取り入れやすいのも魅力の1つです。生活スタイルに合った大豆製品を活用して、ダイエットや美容に役立ててみてください。

【参考文献】 (すべて2022年10月10日閲覧)
[1]文部科学省.日本食品標準成分表2020年版(八訂)

[2]厚生労働省.大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A

[3]厚生労働省. 国民健康・栄養調査報告(令和元年)

[4]厚生労働省.e-ヘルスネット/たんぱく質

[5]厚生労働省.e-ヘルスネット/食物繊維の必要性と健康

[6]厚生労働省.e-ヘルスネット/更年期障害

[7]K Taku, et al. Extracted or synthesized soybean isoflavones reduce menopausal hot flash frequency and severity: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Menopause, 2012 ;19(7):776-90. 

[8]食品安全委員会.大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A

プロフィール

ishikawa

【プロフィール】歯科管理栄養士×健康・食品ライター 石川 桃子

歯科医院で専属管理栄養士として勤めており、歯の不調をはじめとするさまざまな症状に対し、一人ひとりのライフスタイルに合わせた食事・栄養指導を行っている。加えて、食べる入り口となる≪お口の健康=身体の健康≫を伝えたい、毎日の食事で健康になるための正しい知識を発信したいという想いから、健康・食品ライターとしても活動を続けている。
HP:https://momoko-dentalnutrition.com/
Twitter:https://twitter.com/mmk_rd