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女性はうつになりやすい?女性特有のうつやその対策について管理栄養士が解説!

女性が頭を抱えているイメージ

男性よりも女性の方がうつになりやすいのをご存知でしょうか。
うつになるとさまざまな症状が現れ、生活に支障を来たす場合があります。
そのため、それぞれのうつの特徴を知り、日頃から対策をしていきたいですね。
今回の記事では女性特有のうつの特徴や、うつにならないための対策について管理栄養士が解説します。

そもそも「うつ」とは?

うつと聞くと心の病気というイメージを持つ方がいらっしゃるかもしれませんが、うつは心と体の両方の症状があり誰でも発症する可能性のある病気です。
通常の風邪よりも症状がつらく、進行すると日常生活を送るのが難しくなる恐れがあります。

精神的な症状は何もやる気が出ない、気分がすっきりしないといったもの、意欲や集中力の低下などが挙げられます。また主な身体的症状は食欲低下、動悸、倦怠感などです。
うつの原因は環境の変化や几帳面な性格、ストレスなどがあり、そのなかでもストレスは最も強く影響するものといわれています[1]。

特に女性は男性よりもうつになりやすく、うつの患者数はどの年代においても女性が多いことが分かっています。また女性にはホルモンの変化やライフイベントなどによる環境の変化が起こりやすいため、さまざまなタイプのうつがあります[1]。

では女性のうつは具体的にどのような種類があるのでしょうか。

女性特有のうつってどんなものがある?

女性がどんなものがあるか想像しているイメージ

女性特有に発症するうつは、「月経前不快気分障害」、「マタニティブルー」、「産後うつ」、「更年期障害によるうつ」が挙げられます。
それぞれどのような特徴があるか確認しておきましょう[1]。

■月経前不快気分障害(PMDD)

月経前不快気分障害は月経前症候群(PMS)のイライラや抑うつなどの精神的症状がより強くなる状態です。
月経が始まる1週間ほど前から症状が現れ、月経開始後に軽快もしくは消失するという特徴があります[2]。

■マタニティブルー、産後うつ

マタニティブルーは出産後に現れる精神的症状のことで、出産した女性の半数近くが経験しているといわれています。出産後数日から数週間の間に、情緒不安定、不眠、集中力の低下などの症状が現れます。
症状は一時的なものですが長引いてしまうケースもあり、これらの症状が長引くと産後うつを引き起こす恐れがあります。産後うつは育児に自信がなくなってしまったり自分自身を責めてしまったりする症状が現れ、その症状はマタニティブルーよりも長く続くといわれています[3,4]。

■更年期障害によるうつ

更年期障害は男女共に40歳を過ぎた頃から現れる、性ホルモンの分泌量の減少が原因で起こる精神的・身体的症状のことです。女性では更年期になると女性ホルモン「エストロゲン」が急激に減少することで症状が現れます。うつは更年期障害の症状の一つであり、気づかないまま放置していると症状を悪化させる恐れがあります。また更年期障害によるうつとは別に、更年期に起こる生活環境の変化などによりうつを発症するケースもあるため注意が必要です[5]。

このように女性は月経や出産、更年期などさまざまなタイミングでうつになるリスクがあるのです。
これらのうつの原因ははっきりしないものもありますが、どのうつもホルモン分泌の変動が原因と考えられています。つまり女性はホルモンバランスが乱れやすいため、男性よりもうつになりやすいといえます。

ではホルモンバランスの乱れで引き起こされるうつに対して、どのようなことに気をつけていけば良いのでしょうか。

うつに悩まされないために日頃からできること

女性が運動している、もしくは紅茶を飲んでゆっくりしているイメージ

うつを予防するためには生活習慣の見直しや改善が重要です。
そこで、うつを対策するために日頃からできるポイントをお伝えします。

■休養をしっかりとり、ストレスをためない生活習慣を心掛ける

うつの主な原因はストレスであり、ホルモンバランスの乱れもストレスが大きく関わっているといわれています。特につい頑張り過ぎてしまう人はうつになりやすい傾向があります。
意識的に休息を取りストレスをためないように心掛けましょう。また趣味活動をしたり、運動をしたり、ゆっくり過ごしたりなどご自身に合ったストレス解消法を見つけておくことがおすすめです[1,2]。

■睡眠をしっかりとる

出産後や更年期では眠りが浅くなったり、睡眠不足になったりする可能性があります。良質な睡眠をとるためには、規則正しい生活習慣を心掛ける、寝る数時間前に入浴するなどを行うことがポイントです。
どうしてもまとめて眠れない場合は、短時間の昼寝を取り入れるのも良いでしょう[6]。

■栄養バランスの良い食事をとる

近年では栄養不足によってうつのリスクを高める可能性があることが分かってきています[7]。
そのため、うつを予防するには栄養バランスの良い食事を心掛けることが重要です。
そうはいっても仕事や育児で忙しく、栄養バランスの良い食事にするのは難しいときもありますよね。
そんなときには、「私の完全美容食」などの健康食品を活用して栄養バランスを整えるのもおすすめです。
「私の完全美容食」はたんぱく質のほか、食物繊維や葉酸、鉄などの栄養素が含まれています。
普段食べている間食を「私の完全美容食」に置き換えたり、食事にプラスしたりすることで不足している栄養素を補いましょう。

ときには無理せず上手にうつの対策をしよう

女性は月経や出産、更年期などさまざまなタイミングでうつになりやすいため、日頃から対策していきたいですね。まず女性はうつになりやすいことを知り、ご自身の生活習慣を見直し改善していきましょう。

また一人で頑張り過ぎないことも大切です。
ときには周り人を頼り、少しでも不安を感じたら専門家に相談してみてくださいね。

【参考文献】
(すべて2023年10月31日閲覧)
[1]厚生労働省研究班, 女性の健康の包括的支援政策研究事業, 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|うつ

[2]公益社団法人 日本産科婦人科学会, 月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)

[3]公益社団法人 日本産婦人科医会, マタニティブルーズについて教えてください

[4]公営社団法人 日本産婦人科医会, 産後うつ病について教えてください

[5]厚生労働省, e-ヘルスネット|更年期障害

[6]厚生労働省, e-ヘルスネット|女性の睡眠障害

[7]M Zielińska, et al. Dietary Nutrient Deficiencies and Risk of Depression(Review Article 2018-2023). Nutrients. 2023 ;15(11):2433.

プロフィール

ichinoki
管理栄養士 一ノ木菜摘
短大を卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。科学的根拠をもとにダイエットや生活習慣病などを中心としたヘルスケアコラムを執筆している。
公式ブログ「幸せ食ライフ|管理栄養士 一ノ木菜摘ブログ」:
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