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実は隠れ肥満だった?隠れ肥満改善のための対策について管理栄養士が解説!

体重計にのる女性

ここ数年、海外で話題になっている「スキニーファット」という言葉があるのはご存知でしょうか?
細い・痩せているの意味があるSkinny(スキニー)と、脂肪・太ったの意味があるFat(ファット)、日本で言うならば「隠れ肥満」という言葉が当てはまるでしょう。
どちらも言葉の意味は、体重やBMIだけではわからない健康問題を抱えている人を表しています。

今回の記事では、女性が陥りやすい隠れ肥満の原因と、その改善策を管理栄養士が解説します。

隠れ肥満の原因と特徴は?

女性ウエスト計測

「隠れ肥満」の特徴には次のようなものがあります。
✔️体重やBMIが正常でありながら体脂肪率が高い
✔️筋肉や骨と比べて体脂肪率が高い
✔️筋肉量の目安となる除脂肪量が少ない

このような体の状態になってしまう原因の1つに、細い体型への憧れからの強いやせ願望があります。
食事を抜く、極端に控えるような無理なダイエットを繰り返すと、体脂肪を蓄えやすい体質になってしまう可能性があります。[1,2,3]。

隠れ肥満だと、体にどんな影響があるの?

体重計

隠れ肥満やその予備軍では、体脂肪が下半身よりも上半身に多くつく傾向があります。
胸や背中、肩周りやお尻といった体幹部の脂肪量は、内臓脂肪量を反映するともいわれています。
内臓脂肪が増えすぎると、生活習慣病を引き起こす原因になることが明らかになっているので注意が必要です。
その他にも、女性に多い骨粗鬆症のリスクも高まることも予測されています[1,3]。

隠れ肥満を改善!4つのポイント

フレッシュな野菜

隠れ肥満の改善は、体脂肪量を減らすことが鍵となります。
通常の肥満の改善と共通することばかりではありますが、今すぐに取り組める食事の注意点を4つのポイントに絞ってお伝えします。

1)食べ過ぎに注意する

まずは、食べ過ぎないように気を付けることが大切です。
ご飯やパンなどの糖質を多く含む食品や、肉類や乳製品などの脂質を多く含む食品の食べ過ぎは、カロリーオーバーの原因に繋がります。
普段食べている量が多すぎないか見直してみましょう[2,5]。

2)間食のカロリーを控える

甘いお菓子や脂っこいスナック菓子は、糖質や脂質が多く少量でもカロリーが高い傾向にあります。
間食は飲み物を含めて1日200kcalまでに留めることを意識するとよいでしょう。
食べる前に、商品のパッケージに記載されている栄養成分表示を確認して、カロリーを確認するとよいでしょう[6]。

3)お酒の飲み過ぎに注意

多量のアルコール摂取は、体重増加や生活習慣病を招くので、適量に留めるのが良いでしょう。
適量の目安は、アルコール量で1日平均20g程度、ビールだと500ml缶1本、日本酒は1合弱、ワインは1.5杯程度です[7,8]。

4)バランスの良い食事を心がけて

特定の食品を食べて、カロリーばかりを意識するダイエットや、極端に食事量を減らすことは、健康を維持する上で欠かせない栄養素の不足を招きます。
主食、主菜、副菜、それにプラスして牛乳・乳製品、果物のそろった食事を心がけましょう。
食事のバランスを整えるのが難しい時は、「私の完全美容食」の力を借りて、不足しがちな栄養素を補うこともおすすめです[3,9]。

見直してみて、日頃の食生活

フレッシュな野菜

隠れ肥満かどうかは、体重やBMIといった数字や見た目だけではわかりません。
脂肪がどこについているかによって、健康への危険性を大きく左右させていまします。
その鍵となるのが、日頃の食生活です。
今までご自身の健康に自信がなかった方、見直すべきポイントに気がついた方は、新たな習慣を取り入れるチャンスです。

【参考文献】
(すべて2023年12月24日閲覧)
[1][1] 辛島順子,小林理佐:若年成人女性の体成分と健康度・生活習慣の関連|日本生産管理学会論文誌,Vol.27,No.2,2020.10

[2]厚生労働省,e-ヘルスネット,肥満と健康

[3]厚生労働省,e-ヘルスネット,若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題

[4]厚生労働省,e-ヘルスネット,健康的なダイエット:適切な体重管理で、健康づくりをしよう

[5]文部科学省,日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版

[6]厚生労働省,e-ヘルスネット,間食のエネルギー

[7]厚生労働省,e-ヘルスネット,アルコールと脂質異常症

[8]厚生労働省,健康日本21,アルコール

[9]厚生労働省,e-ヘルスネット,食事バランスガイド

プロフィール

hashimoto
管理栄養士 橋本牧子
結婚・出産を機に食事の大切さを改めて感じ、大学で学び直し管理栄養士の資格を取得。乳幼児やシニア世代の栄養相談や健康教室の講師など幅広く活動する中で、科学的根拠の乏しい健康情報が世の中に多いことに問題意識を持ち、確かな情報を広く発信すべくヘルスケアライターとして活動をはじめる。生活習慣病や女性の健康を得意とし、現在までに数多くのコラムを執筆している。料理撮影やレシピ開発の実績も豊富。